自動車修理工場で働く若者が、3人の親友たちにゲイであることをカミングアウト。親友たちは戸惑いながらも、仲間である彼に最高の恋人を見つけるために奮闘する。
爽やかで気持ちよく観られるヒューマン・ドラマ
セクシャルマイノリティ関連の映画の多くは悲劇的な結果をもたらしますが、この映画は実に近代的で喜劇でした。それにLGBT[*1]映画というよりも4人の男の友情を描いたヒューマンドラマのようでした。
設定はアメリカの田舎町であるためか、まだまだ同性愛者への差別が少しあるように感じました。恐らく日本もまだこの辺りか、もう少し遅れてるかもしれません。
作品の中では見えない偏見、潜在的同性愛嫌悪が可視化されてしまう部分がいくつかあります。でも痛々しい事はなく、笑える範囲かな?(LGBT当事者じゃないのであくまで予想)そして、それらを理解しようとしていく親友たちと両親の葛藤がうまく描かれています。その様子はとても現実的で、私も恐らく同じような反応をするかもしれないと思いました。私の場合はそれはLGBTへの差別というよりも「友達だと思ってたのに恋愛対象になりうるの?」という混乱です。それから自分の中に持っている潜在的な差別心も気付かされた気がします。でもこの作品を観て、それらも払拭されました。
きっと、ノンケだと思っていた幼馴染がゲイだと知った時は色んな想いが駆け巡った事でしょう。一番の親友は「何も変わらない」と約束していていましたが、現実ではそんな事はありません。「変わらないわけがない」とハッキリいえます。また作中でもそうでした。ただ4人の友情が壊れてしまったのではなく、より良い方向へ”再構築”されていく様を魅せてくれる良い映画でした。
映画データ
監 督
アンドリュー・ナックマン
脚 本
アーロン・ダンシック
キャスト
イヴァン・トッド
パーカー・ヤング
コード・オーバーストリート
ジョン・ガブラス
ケイト・フランネリー
パーカー・ヤング
コード・オーバーストリート
ジョン・ガブラス
ケイト・フランネリー
公 開
2016年2月5日
時 間
86分
製作国
アメリカ
脚注
1. | ^ | LGBTとは L=レズビアン、G=ゲイ、B=バイセクシュアル、T=トランスジェンダー |
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