はじめまして、tomoと申します。いわゆる音効さんを生業としています。
バイノーラル録音ってしってますか?それに使うダミーヘッドが高いんです。メーカーによっては100万円を超えてしまうようなものでして、だから、自分で作っちゃいました(笑)
材料費が、なんと2000円弱!効果としては、高価なダミーヘッドにも引けを取らない。と、思います。「なんのこっちゃ?」という人も、ちょっと読んでみてくださいね。
バイノーラル録音?
カタカナを言っておけばそれっぽく聞こえる昨今。その分野以外の人にはよくわからないカタカナが巷には溢れているものです。
けれども、これらはそんなに難しい話ではありません。冒頭の、
「バイノーラル録音」
というものは、
実際に人が音を認知する状況に近い環境で録音すること。
であります。
簡単に説明しますと、
人は耳から耳穴を通って鼓膜に届いた音声を脳で判断して「音」を認知しています。
つまり、この状況に近い環境で録音することが出来たらそれが「バイノーラル録音」になるのですが・・・
そんな録音を可能にしたマイクがあるんです。それが!
です!
普通、マイクというと、
こういうものを想像されると思いますが、 BMR-200のようなバイノーラルマイクは、人の耳に近い状況で録音するため、イヤホン型になっているものが多いです。
使い方は簡単。 BMR-200を耳に装着して録音。これだけです。レコーダーはiPhoneでもOK。これで、皆さんもバイノーラル録音が出来るようになりました!
が、しかし・・・
こういうマイク
に、マイクスタンドがあるように、バイノーラルマイクにもマイクスタンドが欲しいんです。人が10分も20分も動かずに立ってるって大変なんです(笑)
そこで、
ダミーヘッド
の存在が出てくるのです。
ダミーヘッドとは
冒頭の2つ目のカタカナ、
ダミーヘッド
ですが、これは、
人の頭を模した模型。
です。さらにここでいうダミーヘッドは、
人の耳を模した模型。
「バイノーラル録音」に必要な物として、
「人が音を認知する状況に近い環境」
というものがありましたが、これを叶えるための道具でもあります。
しかし、これがチョー高いんです。
マイクとセットで売られているダミーヘッドは、高いもので100万円を超え、安いものを探しても数十万円と、なかなか趣味レベルでは手を出せないものばかりです。
これだけ高いなら、足を棒にして何十分も立ちっぱなしで音を録るしかないのか・・・と、あきらめかけました。
自作しちゃえばいいんだ!
無いものは 作ってしまえ ホトトギス
ということで、安価で効果抜群なダミーヘッドを自作しようと思い付いたのです。
バイノーラルマイク BMR-200はすでに手元にあります。これに使用できるダミーヘッド風マイクスタンドがあればいいのでは?と考えました。
普通のマイクスタンドですと、マイクをしっかり固定出来て自立させれば良いだけですが、バイノーラルマイクとなるとちょっと話が変わってきます。
「人が音を認知する状況に近い環境」
を構築しないといけないのです。
つまり、普通のマイクスタンドに、
- 耳のように集音する
- 耳のように後ろからの音を少し遮る
- 耳のように左右の音を聞き分ける
といった機能をプラスさせなければなりません。
かつ、安価で仕上げないと意味がありません。
100円ショップ内やホームセンターをうろうろする日々が続きました(笑)
そして完成したのがこちらになります。
「ダミーヘッド」というよりも、「ヘッドホン式マイクスタンド」と言った方がいいかもしれません。
耳はダイソーで売られているシリコーン製のおたま。マイクを固定している素材は乾くと固まるねんど。耳穴を再現しているのは軟式テニスボール。
性能もしっかりとバイノーラルな効果もあり、完全なる人の耳・・・とまではいかないくとも、遠近感や広がりを感じられるように録音が出来ます。
見た目が「?」の人もいるかもしれませんが、値段でカバー出来ているはずです(笑)
細かい作り方の手順はこちらの動画をご覧ください。私、tomoが実際に作っています。
まとめ
管理人のmiwachinから、バイノーラルマイクのBMR-200を借りて、今回このダミーヘッド風マイクスタンドを作製しました。
バイノーラルマイクの可能性は「ASMR[*2]」が流行っていることからも、まだまだこれからも広がっていくと思われます。
しかし、ダミーヘッドがすぐに手に入りやすい値段になるとは思えません。
BMR-200の様なバイノーラルマイクをもっと使いやすくするアイテムとして、今回の「ダミーヘッド風マイクスタンド」を利用する人が何人かいてくれたらいいなと思います。
脚注
1. | ^ | ダミーヘッド実物。株式会社サザン音響社製 |
2. | ^ | ASMR:Autonomous Sensory Meridian Responseの略。人が聴覚や視覚への刺激によって感じる、心地良い、頭がゾワゾワするといった反応・感覚(正式な・あるいは一般的な日本語訳は今のところ存在しない)。ASMRを感じるきっかけや感じ方には個人差があるが、視聴することによってそのきっかけを作り出そうとするASMR動画は、海外の動画投稿サイトを中心に人気となっている。日本でも近年ではローカルな人気を博している。 wikipedia、ASMR項目より引用 https://ja.wikipedia.org/wiki/Autonomous_sensory_meridian_response |
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