こんにちは!明です。
受験シーズンですが、2月も半ばを過ぎたので、もう終わった人もまだ気が抜けない人もいるかと思いますが、受験生だけでなく社会人も気をつけたいインフルエンザ。
今回はインフルエンザについて私が大学の授業で習ったことや調べたことを基に、知っているようで知らないインフルエンザについてお話したいと思います。
細かくすると長くなりますので、今回は
- インフルエンザと風邪の違い
- なぜ同じインフルエンザに感染するのか
- 新型インフルエンザってどんなもの?
の3つに絞ってお話します。
インフルエンザと風邪の違い
インフルエンザとは、インフルエンザウイルスに感染して発症する、突然の高熱や関節痛、筋肉痛、頭痛といった全身症状や鼻水や咳の呼吸器症状を特徴とする感染症です。
よくインフルエンザとは何かと聞かれた時に、ぱっと浮かぶのは「風邪のちょっときついバージョン」といったイメージなのは症状が風邪と似た症状が多いからでしょう。
実際、一般に言う風邪とインフルエンザは症状がよく似ていて、風邪薬をもらおうと病院にいったらインフルエンザだったということもあります。
しかし、インフルエンザと風邪とは大きく異なる点があります。
箇条書きでまとめるとこうなります。
インフルエンザ
- インフルエンザウイルスが原因
- 急に症状が出る (急に38℃以上の高熱が出る)
- 症状は全身に感じられるものが多い (体がだるい、筋肉痛、関節痛)
- 冬に流行する
風邪
- ライノウイルス、コロナウイルス、アデノウイルスなど
- 徐々に症状が出る (咳が出るようになって2日目に発熱など)
- のどや鼻に関わる症状 (喉の痛み、咳、鼻水、鼻づまりなど)
- 1年中発生する
以上のことから、インフルエンザと風邪は全く違うものだということが分かると思います。
なぜ同じインフルエンザに感染するのか
毎年インフルエンザにかかる、1年に何度もインフルエンザにかかるといった経験をした人は多いと思います。
水疱瘡(みずぼうそう)のように、インフルエンザも一度感染して治れば2度目は発症しないと思っている人は今でもごくまれにいます。
しかし、インフルエンザは何度でも感染および発症します。その原因についてまとめます。
前置きとして
インフルエンザにはA型、B型、C型の3種類あります。
毎年流行して学級閉鎖などでニュースになるのはA型インフルエンザで、B型とC型はあまり問題になりません。
なぜなら、毎年変化を起こして大流行するのはA型だけで、B型は毎年対処が必要なほど大きな変化を引き起こさず、C型も軽い風邪のような症状を起こすだけだからです。
そのため、今回名前が出てくるインフルエンザはすべてA型です。
まず、インフルエンザウイルスが悪さをするのが、ウイルスが宿主の細胞にくっつくときに働く赤血球凝集素(HA)と、宿主の細胞からウイルスが出ていく時に働くノイラミニダーゼ(NA)というウイルスの表面にある物質です。
この2つの物質の血清型の組み合わせにより、ヒトに対してどれほど有害か決まります。
HAには16種類、NAには9種類あり、Aの部分にその種類の番号が入ります。
これまでに猛威をふるったA型インフルエンザの亜型(血清型の組み合わせが違うもの)を例にだすと、1918~1933年のスペイン風邪や2009年から流行しているインフルエンザはH1N1。
2013年に流行した新型インフルエンザであるトリインフルエンザはH7N9といったように表すことが出来ます。
このHAとNAの血清型が、私たちがインフルエンザウイルスに何度も感染する原因です。
この2つの血清型が少しでも変わってしまうことで、今までの免疫やワクチンが効かなくなってしまうため、何度でもインフルエンザに感染してしまうのです。
新型インフルエンザってどんなもの?
先ほど、HAとNAの血清型が変わるせいで、同じインフルエンザに感染するといいました。
血清型が変わることを変異といい、この変異によってインフルエンザに対する抗体を持っている人にも感染するインフルエンザが生まれたり、新型インフルエンザと呼ばれるワクチンがなく感染力の高いインフルエンザが生まれたりします。
すこし難しくなりますが、この2つのインフルエンザがどうやって生まれるか、先ほど例えに出したスペイン風邪やトリインフルエンザを使って説明したいと思います。
まず、HAとNAの遺伝子が増殖していく過程で突然変異を起こしてちょっと違う遺伝子配列をもった個体を生みだしてしまう連続変異では、スペイン風邪のH1N1と同じ亜型でも中身が少し違った個体が生まれます。
中身が少しでも違うとヒトの免疫は対処しきれなかったりするので、スペイン風邪に一度かかった人も同じH1N1に感染してしまいます。
他の血清型をもつインフルエンザウイルスとの遺伝子の交換によって今までとは全く違う亜型が生まれる不連続変異では、今までとは全く違う亜型を持つ個体が生まれます。
この時に生まれたインフルエンザを「新型インフルエンザ」と呼びます。
新型インフルエンザは、鳥同士の間でしか感染しなかったインフルエンザが、鳥やそれを飼っているヒトなどの体内などで他のインフルエンザウイルスと接触することで、ヒトにも感染するインフルエンザと遺伝子を交換し、ヒトには感染しなかったウイルスがヒトにも感染できるように変異したものが多いです。
つまり、新型インフルエンザはこれまでヒトが経験したこともないような亜型を持つインフルエンザのことをさしているのです。
この新型インフルエンザは数10年に一度発生し、ワクチンなどの開発がされていなかったり、ヒトに新しいインフルエンザに対する免疫がないことから一気に広まるのです。
最後に
余談ですが、大学の微生物のテストの過去問で「連続変異と不連続変異について説明せよ」という設問を見た時は「資料プリントにないことを出すんじゃない!」と思いながら調べたという記憶があります。
調べたかいもあってテストには合格しましたが、いまだにあのテストの問題には納得いってません。
この記事でインフルエンザについて少しでもちゃんと知ってもらえて、同じ所でつまずいた学生の勉強にちょっとでも役に立てば幸いです。
参考
第一三共株式会社「インフルニュース」
http://www.influ-news.info/influ/index.html
HABAクリニック 健康コラム「インフルエンザ基礎知識」
http://www.haba-clinic.com/shitsumon/100921_2.htm
滋賀医科大学病理学講座疾患制御病理学部門 「インフルエンザの話」
http://www.shiga-med.ac.jp/~hqpatho2/lecture/influenza/influenza_02.html