「タクシーの安全性に信頼がおけなくなっている」との声を近頃よく聞く。タクシー運転手の高齢化が原因なのか?それとも人材不足で誰それ構わず受け入れてしまっているのが原因なのか?私には調べる術がない。しかしタクシーの事故関連のデータがネット上で簡単に手に入るので少し紹介しようと思う。気になった方は各々入手して分析されたし。
走行距離あたりの事故件数はタクシーが突出して多い
出典:自動車運送事業に係る交通事故対策検討会報告書(平成29年度)
走行距離あたりの事故件数はタクシーのほうが圧倒的に多いが、近年減少してきているようですね。
だがしかし……
事故による死亡者は増加傾向にある
出典:自動車運送事業に係る交通事故対策検討会報告書(平成29年度)
死亡者は増えてきているんですよね。大きな事故が多いようです。運行管理者基礎講習にて、講師をされていた大阪国際興業の方がこの話をされていたのを記憶しています。近年、人材不足で採用基準が下がってきているのが原因ではないか?とのお話でした。もはやタクシー運転手は運転のプロフェッショナルとは言えなくなってきてるのかもしれません。「道のプロフェッショナルだよ!」も通用しないですし(^^;
事故件数は昼夜そんなに差はない
出典: (公財)交通事故総合分析センター「事業用自動車の交通事故統計(平成27年版)」
若干、昼のほうが多い気がしますがそんなに差はありませんね。
だがしかし……
死亡事故は夜が圧倒的に多い
出典: (公財)交通事故総合分析センター「事業用自動車の交通事故統計(平成27年版)」
まったく違いますね。夜のほうがやっぱり危ないんですね。
0〜2時は魔の時間!
出典: (公財)交通事故総合分析センター「事業用自動車の交通事故統計(平成27年版)」
これは新人研修のときにも教わりました。深夜0〜2時は事故が多いようです。この時間を休憩時間にあてる運転手さんも多いんだとか。
金曜日が若干多い
出典: (公財)交通事故総合分析センター「事業用自動車の交通事故統計(平成27年版)」
曜日別に見ると、金曜日が若干多く日曜日が少ないようです。やはり金曜日はお客様も車も多いのでしょうか?でもそんなに差は感じられませんね。
何キロで走ってる時の事故が一番多い?
出典: (公財)交通事故総合分析センター「事業用自動車の交通事故統計(平成27年版)」
危険認知速度とは危険を認知し、ブレーキやハンドル操作などの危険回避措置をとる直前までの走行速度のことです。
10Km/h以下が多く、次いで20Km/h以下ですね。意外にも低速なんですね。
法令違反別の事故件数を見てみると交差点安全進行、徐行違反、一時不停止、歩行者妨害等が多いので納得ですね。
まさか飲酒運転してる人なんていないよねぇ?
出典: (公財)交通事故総合分析センター「事業用自動車の交通事故統計(平成27年版)」
嘘でしょ!? -0.25以上の酒気帯びがあったとか信じられない。これは事故を起こしたから発覚しているわけですが、無事故でばれてないケースもまだまだあるのでは!?
タクシーは出庫前にアルコールチェックがあるのに、なぜこのようなことになるんでしょうね?出庫後にアルコールを摂取するケースも結構あるんだとか。
参考資料リンク
公益財団法人交通事故総合分析センター
http://www.itarda.or.jp
個人でも会員登録をすれば資料のDLができます。無料版は少し古く新しいのは有料でDLできます。
国土交通省 自動車総合安全情報
自動車運送事業に係る交通事故対策検討会報告書
http://www.mlit.go.jp/jidosha/anzen/03analysis/examination.html
交通事故総合分析センターのデータはわかりにくいのですが、こちらはわかりやすく報告されてます。
おまけ
世の中、ニュースにならない事故もあります。
東京ハイヤー・タクシー交通共済協同組合が東京都内のタクシー関連事故報告をしているのでご興味があればどうぞ。
http://thtmic.or.jp/jiko_view.php