砂漠で一番多い死因は溺死!?砂漠に潜む危険な自然現象

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地球の温暖化や土地の荒廃によってどんどん広がっている砂漠。過酷な自然現象が起こっていて、私たち人間にとってはたくさんの危険が潜んでいます。

そんな砂漠での死亡で一番多いのは、実は溺死だというのです。知っていましたか?砂漠には水がないはずなのに、砂漠で溺死するとは、一体どういうことなのでしょうか。

地球の3分の1は砂漠

砂漠とは、降雨が極端に少ない地域で、砂や岩石の多い場所のことを言います。年間降水量が250mm以下の地域、または降雨量よりも蒸発する水分量が多い地域のことです。

簡単に言うと、植物を育てる力が弱まり、衰え荒廃した土地のことを砂漠と言います。やみくもに農作物を作り続けて荒れてしまった土地や、気候にとって乾燥地帯となってしまった場所も、砂漠と呼ばれます。

砂漠ではほとんどの植物が生息できず、水分が非常に少ないことから農業には適していません。そのため人間にとって居住するのは難しい地域です。

また、水分が極端に少ないため、昼と夜の温度差が非常に激しいのが特徴です。日中は焼けるような暑さであるにもかかわらず、夜には一気に冷え込みます。そして砂漠の砂には塩分が多いのが特徴です。

私たち日本人にとって、砂漠というのはあまり縁のない場所かもしれませんが、実は地球の3分の1は砂漠であり、現在も砂漠化は続いているのです。地球の温暖化、気候による乾燥、土地の荒廃などが原因と言われています。

ちなみに世界の砂漠で有名なのは、サハラ砂漠[*1]、ゴビ砂漠[*2]などがありますね。

砂漠で起こる自然現象

過酷な状況の砂漠では、さまざまな自然現象が起こります。

砂嵐

塵や砂が強風によって激しく吹き上げられ、上空高くまで竜巻のように巻き上がる現象です。砂漠で砂嵐が起きると、空中の砂塵により見通しが著しく低下し、息をして砂を大量に吸い込んでしまうと、砂が気道や肺に達することで、健康に影響が及ぶこともあります。

乾燥した季節には、砂漠でなくても砂嵐や竜巻が起こることがあり、巻き込まれると危険なので避難することが必要です。

鉄砲水

砂漠などの乾燥地帯で激しい雨が降ると、大量の泥水が鉄砲水となって襲ってきます。鉄砲水が発生すると、干上がった川が一気に大洪水へと変化し、逃げる暇もないほどのスピードで土石流に飲み込まれてしまいます。

砂漠地帯では、基本的にほとんど雨は降りませんが、数年に一度、大雨に見舞われることがあり、鉄砲水となって砂漠地帯を襲います。普段は干上がっている地域に雨が降ると、水は吸収されずに地表を伝って激しい洪水となってしまいます。

砂漠で起こる死因で多いのは溺死?

砂漠での死というと、砂嵐や脱水症状、熱中症、砂を吸い込むことによる病気などが考えられます。しかし、実は一番多い死因は「溺死」だと言われているのです。

砂漠でなぜ溺死?と疑問に思いますよね。実はこれは砂漠に起こる洪水のためです。

砂漠ではほとんど雨が降りません。そのため、砂漠の砂や土というのは非常に乾燥しており、ぎゅっと固まった状態になっています。乾ききった状態になっているので、簡単に水を通さない仕組みになっています。

乾ききっている土地に雨が降れば、スポンジのように吸収されるのかと想像してしまいますが、そうではありません。乾燥しきった砂漠の土地では、その砂や土は水分を全く含まず、ギュッと固まった状態で、その状態に一気に雨が降っても、しみ込むのには非常に時間がかかります。

ですから、砂漠に雨が降っても すぐには吸収できず、地表を激しく流れて低地へと勢いを増していくのです。

普段乾燥しきっている砂漠で雨が降る時、激しく鉄砲水のように降ることがあります。そうして大量の雨が降った場合、雨は砂漠の砂地に吸収されることなく、地表を伝ってザーッと流れていくのです。

この水の勢いは、激しい大洪水と同じ威力があり、雨が降ってから洪水になるまであっという間なので、簡単に逃げられません。気が付いた時にはもう洪水に飲み込まれていて、溺死してしまう人が後を絶たないのです。

サウジアラビアで106人が洪水によって死亡

2009年、砂漠が広い地域に広がっているサウジアラビア[*3]で、106人もの人が洪水によって死亡したというニュースがありました。これは、普段雨が全く降らない地域に大雨が降り、その土壌があまりにも乾ききっていたため、水分が吸収されることなく洪水となってしまったのです。

他にも、2015年、チリのアタカマ[*4]という地域で洪水が起こり、少なくとも2人が死亡、24人が行方不明になったと言われています。アタカマ州は、世界一乾燥した地とされるアタカマ砂漠[*5]があり、通常は雨はほとんど降らないと言います。

つまり、ほとんど雨の降らない砂漠地帯で雨が降ると、それが洪水となって非常に危険なのです。砂漠地帯に暮らしている人々にとって、普段降らない雨に対して、油断があったのかもしれません。

ワジって何?

砂漠で溺死してしまう人を襲ったのは 「ワジ[*6]」で起こった洪水です。ワジというのは、アラビア語でワディ、ワーディーという言葉で、日本語で「水無し川」「涸れ川・涸れ谷」を表します。

世界の砂漠の主なワジには、タマンラセットワジ(アルジェリア)、タファサセットワジ(アハガル山地周辺)、ガザルワジ(チャド)、ミルクワジ(スーダン)などがあります。

これらのワジは旧河道とも呼ばれていて、過去に洪水が起こって流れた時にできたものです。その旧河道は平らで歩きやすいため、旅人などはその道を通って歩いていくことも多いと言います。

アフリカ大陸やアラビア半島などの砂漠地帯の各地には、大きなワジが見られます。

ワジは水のない乾季の間、歩きやすいなどの理由から、地域の住民の交通路として使われていることもあります。

本流、支流に対応して、大小さまざまな規模のワジが存在しており、巨大なワジはとても深く刻まれています。これは気候が湿潤で河川の水量も多かった、更新世の侵食跡だとされています。

また、ワジの近くには地下水脈が利用できることから、その周辺には居住地ができることもあり、砂漠のオアシスとなる集落も多いようです。

ところが、普段は涸れて渇いているワジですが、ひとたび雨が降ると洪水となるので非常に危険です。

 

ワジに一気に押し寄せる洪水

乾季にはすっかり涸れているワジですが、雨季などに突然雨が降った時には、一気に大洪水となって水が押し寄せてくるのでとても危険です。

ワジでは、その土壌は芯まで乾ききっているので、雨が降っても簡単に水分を通しません。そのため、降った雨はワジの深みを伝い、低地へ向かって激しい勢いで流れていきます。

乾季に通用路として利用している人が、ワジで大雨に遭遇した場合、ワジに流れてくる激流とあまりのスピードに、すぐに逃げることができません。あっという間に水に飲み込まれてしまうため、時間的に逃げ出す余裕がなく、溺死してしまうと言います。

とくに、砂漠地帯で数年に一度は起こる大雨の場合には、ワジに流れてきた雨が激しい勢いを持って、人々や集落をも飲み込んでしまうのだそうです。

また、砂漠の雨は夕方に降ることが多いのですが、そうなるとワジを伝って洪水が起こるのは夜となります。そのため、低地で眠っている住民や旅人はその洪水に巻き込まれやすく、また夜なので逃げ遅れる可能性もグッと上がります。

そのため、砂漠で夜を越す場合には、低地を避けて小高い場所でテントを張るなどすることが良いとされています。

最後に

私たちの知らないミステリアスなことが溢れている砂漠ですが、洪水による溺死が多いというのは驚きです。とはいえ、砂漠では雨の絶対量が少ないため、大雨による洪水はめったに起こらないと言います。

砂漠の洪水による被害では、砂漠だからといって雨や洪水に関して油断してしまうことも関係しているのかもしれません。過酷な自然状況においては、常にさまざまな可能性を頭に入れて行動した方が良さそうです

参考文献

脚注   [ + ]

1. サハラ砂漠:アフリカ大陸北部にある砂漠で、南極大陸に次いで世界で2番目の大きさの砂漠https://ja.wikipedia.org/wiki/サハラ砂漠
2. ゴビ砂漠:中国の内モンゴル自治区からモンゴルにかけて広がる砂漠https://ja.wikipedia.org/wiki/ゴビ砂漠
3. サウジアラビア王国、通称サウジアラビアは、中東・西アジアの国家。首都はリヤド。https://ja.wikipedia.org/wiki/サウジアラビア
4. アタカマ州:チリ共和国の北部の州の1つである。州都はコピアポ https://ja.wikipedia.org/wiki/アタカマ州
5. アタカマ砂漠はチリのアンデス山脈と太平洋の間にある砂漠 https://ja.wikipedia.org/wiki/アタカマ砂漠
6. ワジ:https://ja.wikipedia.org/wiki/ワジ

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miwachin.com管理人。大阪在住。1996年から"組織に縛られずに自由に生きる"をモットーにネット上で活動をはじめた”フリーワーカー、主婦、二人姉妹の母。パソコンのお仕事をはじめて20年間、飽き性も手伝ってWebデザイナーからデータ入力までいろ〜いろしてきました。今は好きな仕事だけを選んでやっています。私にはこれがぐらいがちょうどいい。