タクシー運転手は稼げるのか?高収入アピールをしている会社は気をつけた方がいい理由

今回の記事は私の元に届いた相談を参考に書いてみます。

タクシー運転手って鬱病が多いような気がするけど気のせい?

平成29年4月にこの業界にはいってから今日までの間、うつ病による休業や退職をした知人タクシードライバーが8人もいる。ネット上の知り合いも含めての話だからこれが多いのかどうかはわからないが、私が今まで生きてきた中では目立った数字だ。

タクシードライバーは鬱病発症率が多いのか?そんな疑問をもって、ちょっと調べてみたのだが国内の情報はあんまり見当たらない。しかしニューデリーの論文が見つかった。

A Cross-Sectional Study of Prevalence of Depression, Anxiety and Stress among Professional Cab Drivers in New Delhi.
Ref.https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC6477938/

要約すると、20歳から64歳の男性ドライバーの評価で、60.5%が鬱病に罹患しているそうだ。その理由として様々な要因が考えられるが、ドライバーの職業は劣悪な労働条件にさらされている職業集団であり精神保健疾患にかかる危険性が高いことがよくわかる。ちなみにこの論文では理由の1つに睡眠不足等あげられている。

でもこれって海外の話でしょ?って?
日本もあまりかわんないんじゃないかな?

過労死ラインって知ってる?

過労死ラインとは、健康障害リスクが高まるとする時間外労働時間(残業時間)の基準ラインのようなもの。Wikipediaから引用するね。

発症前2か月間ないし6か月間にわたって、1か月当たりおおむね80時間を超える時間外労働(1日8時間勤務で1か月の労働日を20日として月160時間の労働とする。1日4時間の時間外労働をして、1日12時間勤務が続く状態。又は労働日の20日各2時間の時間外労働と、1日10時間勤務で4日の法定外休日出勤という1日10時間勤務が続く状態、1ヶ月の総労働時間が240時間)が認められる場合。
あるいは、発症前1か月間におおむね100時間(1日8時間勤務で1か月の労働日を20日とすると。1日5時間の時間外労働をして、1日13時間勤務が続く状態。又は労働日の20日各2時間50分の時間外労働と、1日10時間50分勤務で4日の法定外休日出勤という1日10時間50分勤務が続く状態、1ヶ月の総労働時間が260時間)を超える時間外労働が認められる場合をいう。
その他、発症前1か月間ないし6か月間にわたって、1か月当たりおおむね45時間(1日8時間勤務で1か月の労働日を20日とすると。1日2時間15分の時間外労働をして、1日10時間15分勤務が続く状態。又は労働日の20日各32分30秒の時間外労働と、1日8時間32分30秒勤務で4日の法定外休日出勤という1日8時間32分30秒勤務が続く状態、1ヶ月の総労働時間が205時間)を超えて時間外労働時間が長くなるほど、業務と発症との関連性が徐々に強まると評価できる。
出典 Wikipedia太字は私がいれました。

これを読んだらタクシー乗ってる人はすぐわかるでしょう。

我々タクシードライバーの多くはこの過労死ラインを超える労働を長期にわたって続けているんです。
多くのタクシードライバーブログを見ていただくと、ほとんどの方が約12時間の乗務されているのがわかりますよね。
これ、以前にも説明しましたが、乗務時間は出庫後から入庫までの時間です。出勤してからの時間ではありません。
この他に会社で洗車する人は洗車時間も含むでしょうし、納金処理の時間などもあります。
また、遠方から通勤している方も多いらしく往復2時間って方も。計算してみてください。彼らの睡眠時間はどれぐらい短いんでしょうね。日報をみていると、まとまった休憩時間もとっておらず、細切れで休憩しているが足りない方もちらほらと。そりゃ精神疾患に罹患する危険性が高いのもうなずけます。

稼ぐためにはやむを得ないこと

上記の話と、高収入アピールの会社、どう関係しているのか疑問に思われた方が多いかもしれません。
業界内の人はもうお気づきかもしれませんが、わからない人のほうが殆どなので、説明します。

タクシードライバーのお仕事って基本的にはタクシー運転手の時間を切り売りしているお仕事です。一晩5万円水揚げようと思えば、8時間労働で1時間あたり、常時6250円あげなければなりません。でもその数字をあげるのは大阪ではとてもむずかしい。できないことはないがむずかしい。
じゃ一晩5万は無理なのか?と言われれば答えはいいえ。単純な話で「限界時間まで乗務すればいい」乗る時間が長ければ時間単価が少なくても、売り上げはあげれますものね。

しかし中には短時間の乗務であげている人も中にはいますよね。そういう人達はどうしてるかというと答えは単純。
ほとんどはスピード超過です。タクシーの運賃は距離もしくは時間で決まってるんですから、これを2倍3倍にするにはスピードを出すしかないんですよ。だから某会社なんてよく鼠取りにひっかかってるのを見かけます(笑)どちらにしても精神的肉体的に高負担で知らぬうちに精神を蝕んでいくんですよね。

高収入アピールをする会社が危険な理由

先日、とある方から愚痴が届きました。「猿でも手取り40万♪」のあの会社の方です。高収入アピールをしている会社さんの1つですね。
具体的な内容はこのかたのプライバシーがあるので詳しくはかけません。
でも自分自身の経験から思うことがありました。

私が以前勤務していた会社では会社の業績によって内勤さん達のボーナスが変動していました。
ようは、売り上げがよければ内勤さん達のボーナスが増えます。
そのため、よく売り上げる乗務員さんはめちゃほめられ、もちあげられます。私は水揚げがよかったので、車内清掃だって私にかわって内勤さんが喜んでしてくれてました。
しかし、水揚げの低い乗務員さんへは対応が冷たかったようです。あまりにも冷たいので、乗務員は必死になって売り上げを作ってこようとします。
また、売り上げ順位を社内に張り出して競争心を煽り立てていました。そうやって乗務員全員の売り上げを伸ばそうとしていたのだとは思いますが、事故をおこす乗務員や鬱病、無気力症候群などに罹患した乗務員も割合多くいたような気がします。
このわたくしも鬱病とまではいきませんでしたが、何日も動けない日が続いたことがありました。

高収入アピールをしている例の会社の方の相談は「講師の方のグループラインが売り上げの競争みたいになっていてしんどい」ってな内容でした。愚痴や相談を聞いて感じたのは、彼らの精神力が続くのかどうか。鬱病になってしまわないだろうか?そのうち燃え尽き症候群になったりしないだろうか?高収入アピールをしているがゆえに、会社も乗務員もひけなくなっているのではないだろうか?

手取り40万を信じて入社した乗務員さんは手取り40万を手にしたいと思うだろうし、会社としては手取り40万をうたってるからには、持ち帰らせるよう手を尽くすでしょう。

その結果、乗務員に長時間労働といった肉体的負担、そして教えている講師や教わった乗務員さんに精神的負担をかけて続けているのではないでしょうか。

相談してくれた方は会社のことは気に入ってる様子でした。しかし、稼がなければならないプレッシャーなどがかなりきついみたい。

この仕事は確かに、がんばれば高収入がえられる職業です。しかし、それと同時に健康リスクが高まっていることも認識し、乗務員に負担を与えない会社が良い会社なのではないでしょうか。

「自分は鬱病になんかなるわけない」そう思って過労死ラインを超えた乗務を続けてると大切な家族を泣かせることになりかねませんよ。

それをちゃんと教えて乗務員に無理をさせない。
それが良い会社であって「稼げる」を前面に出す所は大変危険だと思います。

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