映画「最強のふたり(Intouchables)」の感想

パラグライダーの事故で首から下が麻痺してしまった富豪の男と、介護役として雇われた移民の男の交流を、笑いと涙を交えて描く実話を元にした映画。日本での興行収入は16億円を超え、日本で公開されたフランス語映画の中で歴代1位だそうだ。[*1]

原題に込められたIntouchablesの意味を考えさせられた

緩やかな起承転結とクラシックやイタリア人作曲家Ludovico Einaudiなどによる優しく流れる音楽、そして全体に散りばめられた毒の抜かれた際どいユーモアで軽やかに感じられる作品だが、掘り下げると、介護、格差、差別など実に重い内容に感じた。

決して触れ合う事のなかった郊外の男ドリスと障害者であるパリの大富豪のフィリップは介護人を雇う面接で出会ってしまった。無職のドリスが職安から案内された面接のためにフィリップ邸を訪れたのである。ドリスは介護人などに就くつもりはなく、失業保険を貰うための書類にサインをして欲しいとフィリップに訴える。そのやりとりでフィリップは何かを感じ取ったのだろう。ドリスは試用期間を設けられた上で介護者として採用されてしまったのだ。

モデルとなったアブデル氏のインタビューを観て、フィリップがドリスを採用した背景にはヨーロッパにおける、複雑な差別問題が含まれているのではないだろうか?と思った。

2:04からアブデル氏のインタビューがはじまる。

intouchableな部分はフィリップの障害だけの話ではない。ドリスのにもあるintouchable、フィリップの娘エリザにあるintouchable。一つ一つ深く考察すると「いい加減な介護映画」との感想は出てこない。二人に親密になっていく情景が浮かんでくるようである。この映画にがっかりした人は、もう一度観て「intouchables」を探してみて欲しいと思う。その上でこの作品のオプティミズムな生き方を観ると勇気が出て来る気がする。

聴覚も楽しめた

マセラティ クアトロポルテのエンジン音を聞いた事があるでしょうか?私は勤務先所有のマセラティ クアトロポルテのエンジン音を聞いた時は感動のあまり何度もふかしてもらい、うっとりしていました。好きな人にはたまらない音なんです。この映画でも、マセラティ クアトロポルテは重要な役割をもっていたように思います。車椅子のフィリップには実用的ではないスポーツカー、マセラティ クアトロポルテ。しかしドリスはフィリップを抱きかかえて助手席に座らせエンジンをかける。「すげえ」「この音たまらない」と満面の笑みを浮かべるドリスに「だろ?」と返したフィリップ。私がただの車好きだから、言われればそれまでですが、マセラティ独特のエンジンの咆哮を印象づけたのは、障害者のフィリップの「耳は性感帯」とのセリフ。首から下の感覚のないフィリップが感じることが出来る耳。もちろんそれは触覚だけではなく音も感じるのであろうと想像すると楽しめた。セリフもなく二人の表情と音だけで描いた心理描写もたまらなかった。

映画データ

監 督 
エリック・トレダノ
オリヴィエ・ナカシュ
脚 本 
エリック・トレダノ
オリヴィエ・ナカシュ
キャスト 
フランソワ・クリュゼ
オマール・シー
アンヌ・ル・ニ
オドレイ・フルーロ
公 開 
フランス:2011年11月2日
日  本:2012年9月1日
時 間 
112分
製作国 
フランス

脚注   [ + ]

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miwachin.com管理人。大阪在住。1996年から"組織に縛られずに自由に生きる"をモットーにネット上で活動をはじめた”フリーワーカー、主婦、二人姉妹の母。パソコンのお仕事をはじめて20年間、飽き性も手伝ってWebデザイナーからデータ入力までいろ〜いろしてきました。今は好きな仕事だけを選んでやっています。私にはこれがぐらいがちょうどいい。